20240401 デデデデ前編感想

デッドデッドデーモンズデストラクション(デデデデ)前編の映画を観てきた。大学生の頃漫画を途中まで読んでいて、面白かったので今回の映画化は楽しみにしていた。
 
トゥデイズヒカキンポイント:10000000点
 
中川凰蘭(おんたん)の声優があのちゃんだったので、期待半分不安半分だったのだが(あのちゃんは声優ではないため)、ちゃんとハマり役で、裏にいるあのちゃんの影を見ずにおんたんとして見ることができた。おうらんの発音はお↑ん↓たん(≒困難)だと思っていたけど、おん↑たん(≒温暖)だったので、そこは違和感あった。原作者のいにお先生の押しが強かったらしい。
 
ミッドランドスクエアシネマで観たので、音響がとてもよかった。正直、わざわざ映画館に足を運ぶ動機の半分くらいは、バカデカい音を楽しむためである(他には画面が大きい、スマホを触らないなど)。小型宇宙船をレーザーで打ち抜くシーンとか、身体に響いてとてもよかった。
 
過去回想で、門出が秘密道具をつかってどんどん暴走していくシーンが印象的だった。塾で仲良くなった小学生の門出とおんたんは、いじめられていた宇宙人をかばい、家に連れて帰る。その宇宙人は発展した地球の経過観察のために地球にやってきて、非力ながらも卓越した技術の秘密道具を持っていた。宇宙人に人間が悪い存在でないことを示すため、門出とおんたんは周りの小学生を巻き込みながら善行を積み重ねていく。
しかし、門出は自分の正義に固執し、そんなつもりはなかったのに秘密道具で罪なき人を殺めてしまう。その出来事を皮切りに、宇宙人に人間が良い生き物だと知ってもらうため、そして人を殺してしまったという事実から背くことができなかったために、自らの正義の下に悪人を裁くことに躊躇がなくなってしまう。
自分は正義の執行人であるという自負を持ち、変わってしまった門出に対して、おんたんは「どんな人間でも悪い部分はある、ぼくだっていじめられていた門出を見て見ぬふりした、だからまず私から裁け」と諭す。門出は自分の過ちに気付いたものの、既に戻れる一線はとっくに通り越しており、マンションから身を投げてしまう…という話。
 
これの何がいいって、現在の時間軸では門出は真面目で、おんたんはネジの外れた変な子であることがすごくいい。真面目な門出が自分の正義に固執して危ない人間になっていって、普段変な子であるおんたんが友達のためにマトモな一面を出すっていう、このねじれた関係がすごい。栄養価が高い。うれしい。
 
あと、おんたんは小学生時代は内気だったんだけど、いじめられている門出に対して、宇宙人がくれた秘密道具を使わずに自分を変えようとして、秘密道具を唯一使おうとしたのも友達を助けるためっていうのが門出と対照的でよかった。世界の救世主になろうとして、自分の傍にいる人のことが見えていなかった門出と、どこまでも友達を救おうとしたおんたん。
 
↑で書いた過去回想、全部捏造らしい。この過去回想に入る前のシーンが、宇宙人と会話するシーンだった。また、他のシーンの回想ではおんたんは学校でいじめっ子に歯向かっていたけど、この過去回想ではずっと門出を庇うことができないでいた。さらに、過去回想が本当に事実だとすれば、門出は人を殺し、さらには自殺しているはず。漫画ではこんなシーンなかったはずだし、漫画では宇宙人と同居していたはず。忘れてるだけかも。映画と漫画で展開が違うのかな。
 
門出とおんたんにはずっと仲良くしていてほしいのに次回予告が不穏だった。やめてほしい。
 
デデデデ、大学生のいう退廃的な「エモい」みたいな空気をずっと孕んでいて、人を選ぶような作品ではあると思うけど、ハマる人はすごいハマると思う。後編もすごく楽しみだ。
 
おんたん可愛すぎる
 
はにゃにゃフワーッ